乳腺濃度(乳腺タイプ)

乳腺濃度

乳房は脂肪と乳腺組織から作られていて、乳房の乳腺組織の割合を乳腺濃度といいます。乳腺濃度には個人差があり、年齢や妊娠、授乳によって乳腺濃度は変化します。

高濃度乳房

乳腺組織の割合が多い乳房タイプを高濃度乳腺と言いますが、高濃度乳房は病名ではありません。マンモグラフィでは、脂肪組織は黒く、乳腺組織は白く写ります。また、がん・石灰化も白く写るため乳腺組織に隠れて見えにくい場合があります。

高濃度乳房と言われたら?

高濃度乳房の方はマンモグラフィだけでは見えにくいので、超音波検査をお勧めします。
マンモグラフィにも見えにくい部分があるように、超音波検査でも見えにくいところがあるので、両方の検査を受けるとより精度の高い検査ができます。

自分の乳房がどのタイプに該当するのか知ることがとても大切です。自分にタイプに合わせて検診を受けましょう。

乳がんの転移(図)

左から
□脂肪性
乳房はほぼ完全に置き換えられている。病変が撮影範囲に入っていれば検出は容易である。
□乳腺散在
脂肪に置き換えられた乳房内に乳腺実質が散在している。病変の検出は比較的容易である。
□不均一高濃度
乳腺実質内に脂肪が混在し、不均一な濃度を呈する。病変が正常乳腺に隠される危険性がある。
□高濃度
乳腺実質内に脂肪の混在はほとんどなく(いわゆるdense breast)、病変検出率は低い。

乳腺科(目次)

乳房のしくみとがんの発生

乳房は出産時に乳汁を分泌する大切な役割を持つ付属器官です。その中には乳腺と呼ばれる腺組織と脂肪組織が存在しています。

乳腺組織(乳腺実質)は15〜20の腺葉に分かれ、各腺葉は多数の小葉に枝分かれしています。小葉は乳汁を分泌する小さな腺房が集まってできています。各腺葉からは乳管が1本ずつ出ていて、小葉や腺房と連絡しあいながら、最終的に主乳管となって乳頭(乳首)に達します。

乳がんはこの乳腺を構成している乳管や小葉の内腔(内側)の上皮細胞から発生します。がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっているものを非浸潤がん、乳管や小葉を包む基底膜を破って外に出ているものを浸潤がんといい、がんが乳管の開口している乳頭に達して湿疹様病変が発生するパジェット病に大別されます。

同じ乳がんであっても細胞の性格はおとなしいものから活発なものまで、患者さんによって異なります。

乳がんにかかりやすい要因

  • 初産経験…30歳以上(未産女性を含む)
  • 閉経年齢…55歳以上
  • 肥満………標準体型プラス20%以上
  • 良性乳腺疾患の既往
  • 乳がんの家族歴

上記にあてはまらないと言って安心できる訳ではありません。
乳がんにかかる人は20歳過ぎから認められ、30歳代になると増え始め、40歳代~50歳代がピークとなっています。
特に40歳以上の方は定期的な乳がん検診を行うことが大切です。

乳がんの症状

しこり

乳がんの約9割がしこりで発見されます。乳がんのしこりは大部分痛みを伴いませんが、まれに圧痛を伴う場合もあります。しこりの大部分は、固く根を張った感じで表面が多少でこぼこしています。ごくまれにコロコロとよく動くしこりもあります。

血性の乳頭異常分泌

しこりが触れず(触れる場合もある)、乳頭からの異常分泌のみが見られます、血性分泌の中の20〜30%が乳がんによるもので、早期乳がんの重要な症状のひとつです。

えくぼ症状

皮膚の下に腫瘍があって、それが皮膚を内側に引っ張っているために皮膚に小さな凹みを作ります。
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乳がんの広がり方

乳がんの広がり方(図)
小葉や乳管に発生したがん細胞はその中だけで増殖して広がり、とどまっています(非浸潤がん)。しかし治療せずに放っておけば、やがて増殖が進み乳管の壁を破り、乳管内から周囲の組織に広がり血管やリンパ管の中に入り込んでいきます(浸潤がん)

乳がんの転移

乳がんの転移(図)
多くの場合、がん細胞は原発巣近くのリンパ管を通って乳房周囲のリンパ節へ、また周囲の血管を通って肺、肝臓、骨などの臓器に転移します。
乳がんの転移は大きくリンパ行性転移と血行性転移に分けられます。

リンパ行性転移

がん細胞がリンパ管に入り、リンパ液の流れにのって、わきの下や鎖骨上などの乳房周囲のリンパ節に転移します。

血行性転移

がん細胞が血管に入り、血液の流れにのって、骨・肺・肝・脳など遠隔臓器へ転移します。

自己検診のすすめ

自己検診の時期

乳がんは目で見て、触って、自分で見つけることができる数少ないがんのひとつです。早く発見し、適切な治療を受ければ、命を落とすことはありません。20歳を過ぎたら、1ヶ月に1回の自己検診を習慣にしましょう。

  • 閉経前…月経が終わってから4〜5日後が適しています。この時期は乳房の張りが引き、やわらかくなっているので、しこりがわかりやすくなります。
  • 閉経後…毎月一定の日(記念日、1日など)を定めて行いましょう。

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