自己検診の時期
乳がんは目で見て、触って、自分で見つけることができる数少ないがんのひとつです。早く発見し、適切な治療を受ければ、命を落とすことはありません。20歳を過ぎたら、1ヶ月に1回の自己検診を習慣にしましょう。
- 閉経前…月経が終わってから4〜5日後が適しています。この時期は乳房の張りが引き、やわらかくなっているので、しこりがわかりやすくなります。
- 閉経後…毎月一定の日(記念日、1日など)を定めて行いましょう。
視診
両乳房を鏡に映して、乳房の外観を観察しましょう。両腕を上げたり、下ろしたり、横向き、前かがみになるなど、姿勢を変えて下記の点をチェックしましょう。
- 皮膚のえくぼ症状、ひきつれがないか
- 乳頭の陥没、向きの変化はないか
- 両乳頭の高さの差はないか
- 乳頭と乳輪部の湿疹、ただれ、びらんはないか
- 皮膚の赤み、オレンジの皮症状がないか
触診
触診の方法
- あお向けになり、調べる乳房側の肩下に薄い枕を入れ、乳房が胸の上に平均に上がるようにします。
- 腕を下げた状態で、反対側の指の腹を使い、乳頭を中心に渦巻き状に円を描くように進める方法と、肋骨に平行に外側から動かす方法があります。どちらの方法でもかまいませんが、乳房全体をくまなく調べ、見落としのないようにすることが大切です。自己検診は、乳房のふくらみを中心に、上方は鎖骨下、下方は肋骨下縁、外側はわきの下の中心線で囲まれた範囲まで行いましょう。
- 下げた腕を頭の方に上げて、胸を張った姿勢でもう一度まんべんなく触りましょう。
- わきの下に指を入れ、腕を下ろしてリンパ節にしこりがないかどうか確認する。
- 乳頭部を圧迫、乳汁を搾り出すようにして、血性から褐色物の分泌物がないか調べる。
触診時のコツとポイント
- 触診は、第2・3・4指を軽く伸ばしてそろえ、指の腹で軽く押さえながら行いましょう。指先を立てず、指でつままず、ゆっくり丁寧に行うことが大切です。
- 乳房にベビーパウダーを塗ると、指の動きがよくなります。
- 触診する側の肩下に薄い枕を入れ、乳房を均等に広げるようにしましょう。