術後薬物療法 

手術で切除したがんの検査結果から微小転移の可能性が高い場合は、手術後の薬物療法で再発を防ぎます。
術後療法を決めるうえで大切な因子として、下記のような項目が上げられます。
治療効果、副作用のリスクなど、治療によるベネフィットとリスクを考慮し、患者さんと医師の話し合いの中で治療計画を組み立てていくことが重要です。

主な予後因子

エストロゲン受容体(ER)の有無 取り除いた乳がんが、ホルモン(エストロゲン)に反応する受容体(エストロゲン受容体:ER)を持つか否かを調べる。ERがある(ER陽性)場合と、ない(ER陰性)場合では、陽性のほうが内分泌療法(ホルモン療法)の効果が期待できる。ER陽性のほうがER陰性より予後がよい。
HER2受容体の有無 乳がんがその細胞の表面にHER2タンパクを持っている場合、増殖が盛んなことが知られています。トラスツズマブ(ハーセプチン)は,このHER2タンパクに特異的にくっつきがん細胞の増殖を抑えます。したがって、がん細胞がHER2をもっているかどうかを調べ、がん細胞がHER2をもっている場合(HER2陽性乳がんといいます)にはトラスツズマブ(ハーセプチン)と抗がん剤を使用します。
核異形度 手術時に切除したがん細胞を顕微鏡で観察し、がんの悪性度を調べる。グレード1〜3までに分類され、グレードが高いほど再発の可能性が高いと考えられる。
増殖能
(Ki67 label index)
細胞分裂している細胞の割合を計測することによって得られる値。これによって個々の乳がんにおける増殖能力を推測することが可能。当院では15%以下を増殖能が低く、30%以上を増殖能が高いと判定しています。
腫瘍の大きさ 触診や画像、または手術で取り出した腫瘍を観察して測定。腫瘍が小さければ小さいほど予後は良好で、再発の可能性は低いと考えられる。
腋窩リンパ節の
転移状況
手術時に取り出したリンパ節を顕微鏡で観察し、腋窩リンパ節にどの程度のがん細胞が転移しているかを調べ、がん細胞の広がり具合を判断する。転移が少なければ少ないほど予後がいい。
閉経状況 閉経前なら化学療法、閉経後なら内分泌療法(ホルモン療法)を行うことが多い。

関連すると思われる情報