分子標的療法 

分子標的療法とは

がん細胞などに特異的または過剰に発現する特定のタンパク質や分子などを薬で狙いうちする治療法です。

ハーセプチンについて

乳がん細胞には増殖の早いものと遅いものがあり、その違いについて研究が進められてきました。そして近年、細胞の表面に「増殖に必要なえさを取り込むための手(受容体)」を持つものがあるとわかりました。この手を持っている細胞は、持っていない細胞に比べ、えさをたくさん取り込むことができるので、活発に増殖すると考えられています。
このえさを取り込むための手は「HER2タンパク」と呼ばれています。「ハーセプチン」はこの手を押さえる手錠のような働きをする薬です。

がん細胞は手に手錠をかけられるため、増殖に必要なえさを取り込むことができなくなり、兵糧攻めにあう形で抑えられることになります。

ハーセプチンの適応者

がん細胞のHER2の発現がある場合

ハーセプチンは手であるHER2タンパクを選んで結合するように作られているため、ハーセプチンの効果が期待できるのはがん細胞にHER2をたくさん持っている人のみです。

手術や検査でとったがん細胞の表面を調べ、HER2がほとんどない人(0)、あまりない人(1+)、かなりある人(2+)、たくさんある人(3+)に分け、強陽性の(3+)の人が治療の対象となります。(2+)の人も対象となる可能性がありますが、検査の結果が出るまでに1〜2週間が必要です。

ハーセプチンの効果

ハーセプチンはタキサン系の抗がん剤と併用すると、より高い効果が出ることが分かっています。術後にタキサン系の抗がん剤とハーセプチンを併用した場合、ハーセプチンを使用しなかった人と比較し、再発率が約半分になりました。

また転移や再発の場合にもハーセプチンとタキサン系抗がん剤を併用すると、抗がん剤のみの使用に比べ、病気を抑え、普通に生活できる時間が長くなり、生活の質も改善するといった成果が臨床試験の結果から得られています。

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