乳房再建の方法には、自家組織を用いた乳房再建(身体の一部を移植する方法:筋皮弁法)と人工乳房を用いた乳房再建(インプラント法)の2種類があります。
また自家組織と人工乳房を用いた乳房再建を一緒におこなう場合もあります。 これは広背筋皮弁+人工乳房の場合です。胸に筋肉(大胸筋)がない場合で健側の胸が大きく、腹直筋皮弁が使用できない方が適応になります。
身体の一部を移植する方法 (筋弁法) |
人工乳房を用いる方法 | ||
腹直筋皮弁 (お腹) |
広背筋皮弁 (せなか) |
インプラント法 | |
入院期間 | 約4週間 | 約3週間 | 6~7日間 |
外来 通院期間 |
術後、創部の状態をみるために定期的な診察(1,3,6ヶ月、その後1年に1回)を受けていただきます | 術後、創部の状態をみるために定期的な診察(1,3,6ヶ月、その後1年に1回)を受けていただきます | 組織拡張器挿入後から人工乳房を入れるまでの約6ヶ月の間、約3~4週間に1回(遠方の方は1~2ヶ月に1回)、組織拡張器へ生理食塩水を注入するために通院が必要です。人工乳房術後は通常通りです。 |
手術時間 | 5~8時間 | 4~5時間 | 約1時間 |
手術侵襲 (体への負担) |
大きい | 大きい | 小さい |
傷あと | 胸と移植する組織の部分(おなか)両方に傷あとが付きます | 胸と移植する組織の部分(せなか)両方に傷あとが付きます | 乳房切除術の傷あと(胸)のみ |
乳房再建の 自然さ |
身体になじみやすい | 身体になじみやすい | 健側に比べると張りがあり、やや硬い |
経過 | 自分の組織のため、加齢に伴い多少下垂してゆく筋肉の萎縮により若干小さくなっていく | 自分の組織のため、加齢に伴い多少下垂してゆく筋肉の萎縮により若干小さくなっていく | 人工乳房の耐久性は約10年~15年と考えられますが、劣化の可能性があるため、将来交換が必要です。破損についてはMRIで検査が可能です |
局所再発の 発見 |
見つけにくいので定期的検査が必要 | 見つけにくいので定期的検査が必要 | 見つけやすい |
費用 | 健康保険適用 | 健康保険適用 | 健康保険適用 |