掲載日:2021年5月25日

新型コロナウイルスに対するワクチン接種が鹿児島県でも始まっています。そこで、ワクチン接種に対して不安を感じている乳がん患者さんに対して、現時点で分かっている情報をお伝えします。よくある質問とその回答をまとめましたので、お問い合わせの前にご確認ください。

Q1.  乳がん治療中でも、新型コロナウイルスのワクチンを打ってもよいの?

先にワクチン接種を開始した海外のデータでは、治療中のがん患者さんもワクチンを接種してよいとされています。当院でも、新型コロナウイルスへの感染と重症化を予防することが重要だと考えておりますので、ワクチンを接種しても問題ないと考えます。接種のタイミングは、受けている治療によって異なりますので、外来担当者にご相談ください。

Q2.  どこでワクチンが打てるの?

お住まいの自治体で接種していただくことになります。
インフルエンザなどの予防接種と同様、当院では患者さん向けの新型コロナウイルスワクチン接種は行っておりません。接種時期、接種可能な医療機関、集団接種会場などは、お住まいの自治体のお知らせをご確認ください。

Q3.  自分は優先接種の対象になるの?

厚生労働省が決めた接種順位は、①医療従事者、②高齢者(昭和32年4月1日以前に生まれた方)、③高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方、④それ以外の方となっています。このうち、③の「基礎疾患」の中にがん治療中の方も含まれます。ステロイドを使用している方や、肺や心臓の機能が落ちている方も対象となります。この文書の下部に基礎疾患とされる一覧を掲載しておりますので、ご確認ください。

Q4. ワクチンはどのようなスケジュールで打つの?

接種が予定されているファイザー製のワクチンは、1回目の接種後3週間あけて、2回目の接種が行われる予定です。当院への受診予定とワクチン接種が重ならないように、担当医師に相談しながら調整するとよいでしょう。

Q5. ワクチン接種後の副反応が心配です。

接種が予定されているファイザー製のワクチンでは、一部の方で接種後の発熱、倦怠感(だるさ)、接種した場所の痛みや腫れなどが報告されています。1回目より2回目接種後に副反応が出やすいこともわかっていますので、抗がん剤治療や入院の直前にワクチンを接種することは避けた方がよいでしょう。
アナフィラキシーという重いアレルギー症状は、海外では100万人あたり10人程度とされています。ワクチンを接種した後は、しばらく接種会場にとどまり、体調の変化がないことを確認してから帰宅することになります。他の薬などで意識を失う、冷や汗が出て血圧が下がるなど、激しいアレルギー症状を起こしたことがある方は、あらかじめ接種会場の医師にご相談ください。

Q6. 乳がんの手術を受ける予定です。手術前に新型コロナウイルスワクチンを受けた方がいい?

手術直前に新型コロナウイルスに感染し、手術直後に発症した場合には重症化する恐れがあります。接種可能であれば、少なくとも手術の1週間前までに接種することをお勧めします。

なお、ワクチンの影響でリンパ節が腫れることがあるため、接種は手術しない側の腕に行ってください。両側の乳房を手術する場合は、接種部位を担当医へご確認ください。

Q7.  抗がん剤治療を受ける予定がある、また抗がん剤治療中の人はどうすればいい?

がん患者さんに対して、ワクチンにアレルギー等がない場合は新型コロナワクチンを受けることが推奨されています。 可能なら、抗がん剤治療開始1〜2週間前までに新型コロナワクチンを受けることを勧めます。

すでに治療を開始している場合、白血球数が正常範囲の時期に受けることが望ましいです。具体的には次回治療予定日の1週間前に受ければよいでしょう。
少なくとも以下は避けた方がよいと考えます。

  1. 抗がん剤投与日
  2. 白血球数が最小になる時期
  3. 抗がん剤投与日の3日以内

ワクチン接種後に留意していただきたいこと

ワクチンの2回接種後も、これまで通りの新型コロナウイルス感染症対策を取り続けることが最も大切です。 日常生活では、手洗い、うがい、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保等の感染症対策を心がけてください。

新型コロナウイルスワクチン接種で「基礎疾患」とされるもの

1.    以下の病気や状態の方で、通院/入院している方
  1. 慢性の呼吸器の病気
  2. 慢性の心臓病(高血圧を含む。)
  3. 慢性の腎臓病
  4. 慢性の肝臓病(ただし、脂肪肝や慢性肝炎を除く。)
  5. インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
  6. 血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)
  7. 免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む。)
  8. ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
  9. 免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
  10. 神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
  11. 染色体異常
  12. 重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)
  13. 睡眠時無呼吸症候群
2.    基準(BMI 30以上)を満たす肥満の方

出典:厚生労働省 新型コロナウイルスワクチン接種についてのお知らせ より

参考リンク

・ 厚生労働省 新型コロナウイルスワクチン接種についてのお知らせ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html

・日本癌治療学会,日本癌学会,日本臨床腫瘍学会(3学会合同作成)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A
-患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版-
https://www.jsmo.or.jp/news/coronavirus-information/qa_vaccinel_3gakkai.html

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