栄養管理部
栄養管理部では、患者さんお一人おひとりを大切に思いながら、心を込めて調理しています。味はもちろん彩りや盛り付けにも工夫を凝らし、美味しさと栄養バランスに配慮したメニューの提供に日々努めております。
また、がん病態専門管理栄養士が在籍し、個別の栄養指導・食事指導も実施しています。
選択メニュー

A基本メニュー

B主菜の変更
患者さんの体調に合わせて、食べやすさ等に配慮した「選択メニュー」もご用意しております(週3回、夕食のみ)。
食欲のない方へのメニュー


食欲がない方には、口当たりが良く、のど越しの良い物を組み合わせたお食事を準備しています。
- 「セレクト食」・・・11種類のセットメニュー。飲み物も選択できます。
- 「ハーフ・プレート食」・・・食べやすい量に調整し、主食はパン・麺類・おにぎり・おかゆ・お茶漬けなど選択できるメニュー。果物や栄養補助食品で栄養素を補っています。
その他、患者さんの嗜好や味の変化に応じたきめ細やかな対応で患者の希望に沿うよう食事を工夫しています。
設備について
相良病院6階の厨房には、自動洗浄のスチームコンベクション、ブラストチラー、全自動炊飯器、リヒートウォーマーによるクックチルシステム等を完備。衛生的かつ効率的な厨房を整備しています。


スタッフ
管理栄養士、栄養士、調理師、調理員
薬剤部
薬剤部では、医薬品の供給管理を一手に担っています。薬剤師は、患者さんや医療関係者に対し、薬の供給だけでなく、薬剤の適正使用に必要な情報も併せて提供しています。
また、大学薬学部では5年次に5ヵ月間の実務実習が義務づけられており、当薬剤部でも病院薬剤業務の実習を受け入れています。
さらに女性医療の専門病院に求められる薬剤師として、乳がんをはじめとする乳腺、甲状腺・婦人科疾患において、最新で安全かつ根拠に基づいた適切な治療が患者さんに提供されるように他部門と協力して日々研鑽を積んでいます。
外来窓口での取り組み
特に注意が必要な内服抗がん剤については、薬剤の説明や有害事象の確認だけでなく、薬剤部で作成した服薬管理簿を用いて、患者さんの服薬状況を確認し、安全に服薬できるよう努めています。
また、疼痛などのさまざまな症状に対して緩和ケア外来から処方される薬剤については、丁寧に説明を行い、患者さんの不安を少しでも軽減できるように努力しています。
病棟活動への取り組み
抗がん剤やホルモン療法を行っている患者さんを中心に、薬剤管理指導を実施しています。医師の治療方針や処方意図を把握するため、術前・方針・術後の3カンファレンスに参加し、業務に活かしています。説明時は、看護部と協力して作成したレジメン毎のパンフレットなどを使用しています。
また、病棟常駐薬剤師を配置し、入院された患者さんに対して持参薬鑑別や面談を行い、患者さんから得られた情報を医師や看護師と共有しています。
DI(Drug Information)活動への取り組み
患者さんや医師、看護師からの問い合わせに迅速に回答できるよう日々努力しています。特に、抗がん剤治療中の患者さんからは、抗がん剤の有害事象に関することや症状出現時に使用する薬剤に関する問い合わせがあります。また、市販薬や健康食品との併用についての問い合わせも多々受けています。このような問い合わせに、医師の治療方針をもとに、根拠に基づいた最新情報を提供できるよう心がけています。
抗がん剤投与への関与
抗がん剤の治療は、原則として当院化学療法委員会で承認されたレジメンが使用されます。医師が選択した治療レジメンに対し、薬剤部で患者さんの身長・体重、既往歴、血液検査結果などから安全に投与できるか確認を行っています。
その後、注射剤の場合は、安全キャビネット内で無菌調製します。医療従事者の曝露対策のため、薬剤の特徴に応じて閉鎖式薬物移送システムを使用しています。
スタッフ
薬剤部 11名 (2022年5月現在)
薬剤師 | 9名 |
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クラーク | 2名 |
臨床検査部
臨床検査部の業務は、血液や尿など生体から採取された材料から種々の検査を行う『検体検査』、患者さんへ直接心電図、肺機能、超音波検査などを行う『生理機能検査』、生体から採取された細胞や組織を顕微鏡下で良悪の診断などを行う『病理細胞診検査』の業務を行っています。
当法人では、各種検査を行い乳がんの診断が行われ、カンファレンスにおいて情報交換の上、治療が施行されています。臨床検査技師も積極的にカンファレンスに参加し臨床側との情報交換を行っています。
さらに、近年、乳がんの診断・治療の著しい進歩に対応し、臨床検査部でもOSNA法、がんゲノム医療などの新しい遺伝子検査や細胞診LBC法など導入し、専門性の向上に取り組んでいます。
また、臨床検査技師を目指す方へ乳がん医療の最前線を体験していただく機会として、例年夏休みに臨床検査科の学生を対象としたインターンシップサマープログラムを開催しています。
業務内容
『検体検査』
検査精度の向上・迅速な結果報告・検査内容の充実のため、日々の精度管理を欠かさず、外部機関が実施する精度管理調査に積極的に参加し、高い評価を受けております。
生化学・血液・尿・腫瘍マーカー(CEA、CA15-3)・甲状腺項目(TSH、FT3、FT4、TRAb、サイログロブリン、抗Tg抗体、TPO抗体)・輸血の迅速検査を実施しています。
腫瘍マーカーや甲状腺項目などの特殊検査においても1時間以内で結果を提供し、診察時に患者様の治療の選択の手助けとなれるように、チーム医療の一員として日々努力を重ねています。
外部精度管理調査評価(2021年度 日本医師会臨床検査精度管理調査)
参加項目 | 38 |
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参加評価点数満点 | 500 |
参加行間点数総点 | 499 |
評価点数(100点満点) | 99.8 |
『生理機能検査』
生理機能検査では、超音波検査(乳腺・甲状腺・心臓・腹部・血管・頸動脈)や心電図検査・肺機能検査を行っています。乳腺超音波においては、術前のMR-PETなどの他の画像検査で見つかった乳腺腫瘤に対してのsecond lookエコーや術前のマーキングも医師と共に積極的に行い、手術範囲や手術法決定に役立てています。また、手術中には、摘出された検体の腫瘍確認を経験豊富な超音波検査士が超音波にて行い、腫瘍部の摘出が確実に行われていることを、迅速に手術者に伝えています。
現在、乳腺専門病院の臨床検査技師として積極的に資格取得を行い、病理細胞診部門との症例検討会を通して、さらに技術の向上に努めております。
また、豊富な症例に基づいた経験を活かし、学会発表も積極的に行っています。
『病理細胞診検査』
内部精度管理として、技師と細胞診専門医による乳腺・甲状腺および婦人科の不一致症例の見直し、乳癌全症例のカンファレンスを実施し、連携病院との症例検討会を実施しています。
病理業務では、年間約700件の乳癌手術症例において、今後の治療選択に重要な役割を果たすと考えられる分子病理学的検索、遺伝子検索などが正確に行われるよう適切な標本固定を行ったうえで、自院にて免疫染色を実施しています。さらに、2016年よりバーチャルスライドスキャナーを導入し、カンファレンス時の症例提示や標本管理など業務の効率化、品質管理に反映させてきました。
細胞診では、不適正検体の減少、遺伝子検査にも応用可能な液状化検体(LBC)を導入しています。これまでも細胞診診断精度向上のため、LBCに関しての細胞学的検討を行い、学会発表を行ってきました。「LBCによる乳腺細胞診診断の標準化」を目指し全国へ発信しています。
また乳腺細胞診研修の受け入れを再開いたしましたので、ご興味のあられる方は事前にお申し込みください。
細胞診件数(2021年1月1日~12月31日)
乳腺科 | 859件 |
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甲状腺科 | 227件 |
婦人科 | 9,934件 |
組織診件数(2021年1月1日~12月31日)
乳腺科 | 2,144件 |
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甲状腺科 | 36件 |
婦人科 | 358件 |
OSNA件数 | 536件 |
術中迅速件数 | 194件 |
スタッフ
2022年4月1日現在
病理専門医(細胞診専門医) | 1名 |
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臨床検査技師 | 25名 |
クラーク・検査助手 | 1名 |
【資格】
放射線技術部
放射線技術部には診療放射線技師が在籍し、マンモグラフィ・超音波検査による乳がん検診から、CT、MR-PET等による精密検査、放射線治療まで、予防・診断・治療と多岐にわたる業務に携わっています。
マンモグラフィや超音波による画像診断は乳がんの早期発見に大きな役割を果たし、近年は非浸潤がんといわれる超早期がんや手に触れるようなしこりのない乳がんの発見も可能になりました。
乳がんは早期発見により、術後の予後やQOLが大きく向上します。画像による早期がんの発見には、熟練した技師の手技・判断と医師の確かな診断が必要とされます。そのために医師・看護師・薬剤師など多職種と共にカンファレンスや毎月の症例検討会、ミーティング、研究発表、学会発表などに参加し、チーム医療の実践と部内での研鑽に努めています。
検査件数(2021年)
外来
マンモグラフィ | 23,554件 |
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超音波検査 | 25,786件 |
CT | 6,333件 |
RI | 4,039件 |
(骨シンチグラフィ) | (3,165件) |
骨密度検査 | 2,016件 |
一般撮影 | 2,205件 |
PET-MRI | 914件 |
MRI | 386件 |
検診(人間ドック ウェルライフ)
胸部レントゲン | 7,356件 |
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マンモグラフィ | 7,067件 |
超音波検査 | 10,964件 |
(乳腺超音波検査) | (4,932件) |
胃透視 | 1,336件 |
骨密度検査 | 2,567件 |
検診車
マンモグラフィ単独 | 8,916件 | |
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超音波単独 | 2,347件 | |
マンモグラフィ・超音波併用 | 13,882件 |
放射線治療
放射線治療実施人数 | 497人 |
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乳がん術後照射 | 368人 |
緩和照射 | 54人 |
前立腺がん | 72人 |
スタッフ(2022年4月現在)
- 診療放射線技師 35名
- クラーク 2名
認定技師(2022年4月現在)
- 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師 23名
- 日本乳がん検診精度管理中央機構乳房超音波検査実施技師 15名
- 超音波検査士 2名
- 肺がんCT検診認定技師 2名
- X線CT認定技師 1名
- 日本核医学専門技師 2名
- 放射線治療専門 放射線技師 3名
- 放射線治療品質管理士 2名
- 日本磁気共鳴専門技術者認定 1名
- 第1種放射線取扱主任者 2名
使用機器(2022年4月現在)
- マンモグラフィ撮影装置 9台(トモシンセシス6台)
- 乳腺腫瘍画像ガイド下吸引装置 3台(MRI対応1台)
- 超音波断層診断装置 19台
- 放射線治療装置 2台
- MR-PET
- CT 2台(1台は放射線治療兼用)
- 核医学診断装置 2台
- 消化管撮影装置
- Cアーム撮影装置
- ポータブル撮影装置
- 骨塩定量測定装置 2台
- 一般撮影装置 3台